インドに本当のヨガはあるのか?

現代ヨガと元祖ヨガ?

気候も暖かくなってきて体も動かしたいけど、気候の激しい変化で不調もあり、順応するのに時間がかかる時期ですね。色々と不安定になりがちな季節ですが、皆様は元気に過ごされていますか?
さて、今回は少しヨガについて書いていきたいと思っています。現代ヨガというと多くの人がよく目にする綺麗な女性がポーズを決めて、しなやかさをアピールしている映像を想像しがちですが、多くのヨガスタジオが体を動かすことで健康や美を追い求めるエクササイズ要素が強いものとなってきています。ただ、元来のヨガは、最終目的は解脱、宗教チックであり、哲学的、結構マニアックな思想に基づくものであるというのは知る人ぞ知るというか、少し勉強している人は知っているところです。誰もが知る、インド=ヨガ、今のインドに本当のヨガはあるのでしょうか?

アシュラム,食事,インド
アシュラムでの食事

まず、インド人はヨガをしているのか?

先ほども述べたように、インド=ヨガというイメージは強く、インドの多くの人がヨガを行なっているように思いがちですが、私の友達のインド人もヨガなんてしたことないと言いますし、私がインドに行った時に話した人たちもほとんどの方がヨガ(アーサナ)を行なったことがないという話で私もびっくりしました。
その一方で、寺院(アシュラム)のようなところで修行僧のように毎日過ごす場所も存在し、そのなかの多くがアメリカ逆輸入でヨガの良さを再認識したインド政府などの運動からなるものが多く存在しているのも現状です。
少数ではありますが、元来のヨガを追求する人たちは存在するというのが私の印象です。

アヒンサー(非暴力)じゃないの?

ヨガの教えの中にアヒンサー(非暴力)という教えがありますが、インドでは当たり前のようにボッタグリや喧嘩があり、大地を感じて〜なんて平和な心でボーッとしていると大変なことになるところでもあります。
私もインド到着早々、リキシャの親父と・・・
それは、額に信仰の印をつけた男と何回も行き先までの値段を確認して、それ以上には絶対にならないというのを何回も確認して、出発。比較的安全と言われている南の州のアシュラムに向かうまでのリキシャに乗ったときにその事件は起きました。海外によくあるスピード制限をするためのハンプ(↓写真参照)という出っ張りにあう度にリキシャはジャンプをして売り上げと思われる?小銭を毎回落とし、チャリンチャリンとすごい音をして小銭を落としていきます。さすがに落ちてますよと言うと、真顔で”ノープロブレム”を繰り返す。信仰心があつそうな親父、そのやり取りは複数回繰り返されました。そして、やっとのことで到着。約束のお金を支払おうとすると、「予想よりかかった、もっと払え!」え?何回交渉したのよ?そもそも貴方がスピードを出しすぎて小銭を落としまくったからでしょう。こうなるとインド代表親父vs日本代表親父の構図になり、ここで譲れば次から同じことを日本人にやるんだろうという訳のわからない大和魂に火がつき、お互いに一歩も譲らない戦いに。寺院からもなんだなんだと人が出てきて、面倒だから払っちまえvsリキシャ親父が悪いという勢力に分かれて、アシュラムメンバーvsインドvs日本という団体戦。ながーい延長戦から寺院にまで入る場外戦の末にこれしか持っていないと言って、欲しがっていた金額の半分を渡して寺院から追い出しました。噂には聞いていたけど、パワーのいる国でした。

ハンプ,写真
スピード制限させるハンプ
インド,リキシャ
リキシャージャンプ

ヨガの中庸という心

“中庸”と一言で言っても、足るを知ることや、バランスなど様々な解釈ができると思いますが、インドという現代に於いて、良くも悪くも珍しい、様々なものが整備されていなく、入り乱れている国で“自分の当たり前をリセットすることは大事”なのかなと思います。この変化が激しい世の中で自分を保つことは本当に簡単なことではない筈です。何故ならこんなスピードの変化は人類は初体験であり、私たちの祖先もそんな環境では生きておらず、DNAにもそれは組み込まれていません。みんなが思っているより様々な負担がかかっていると予想できます。
そういう意味では、インドに限らず、自分をリセットできる場所というのは、“ヨガはある”と言えるのではないでしょうか。

ヨガの重要性

前述したように激しい変動は、現代人に多くのストレスを与え、ダメージを与えています。あなたは、呼吸に意識を向けていつ動きましたか?自分の体の向きを丁寧に観察したのはいつでしたか?自分の内側に目を向けたのはいつでしたか?無宗教と言われる国に生まれて、多くの人が無条件に毛嫌いする宗教、思想という一部に触れる機会がいつありましたか?知らぬ間にかかっている凄まじい現代型の自分へのストレスを軽減するために何か行っていますか?そういう貴重な時間と思うと、重要性も素直に受け止められるのかもしれません。

ハラアーサナ,ヨガhalasana
halasana-ハラアーサナ

ヨガなんて必要ないという人ほど必要

見ているといつもせっかち、じっとしていられない、一見すると活発で仕事もできるエネルギーに満ち溢れている人、そう言う人程、ヨガが苦手と言います。ただ、本人は疲れているのを忙しさでごまかしている、ドカンとでかい精神的な落ち込みや体の不調が時々やってくる、本当はそういう人に特に良い効果が待っていると私は考えます。最初は好きにはなれないでしょう、何事も短期間では上部しか見えないものです。少し期間をみて継続してみることをお勧めします。
多くのアスリートが行い始めているのには、アドレナリンが出まくって、いつでも戦闘態勢というアスリートの心と体のリセット役として、重宝さているという点があると思います。(↓ドイツ代表のヨガの取り入れ)ただし、うまく使い分けられる指導者でないとスポーツにはマイナスになることもあるので気をつけるべきだと、私は実際に自分で取り入れ、チーム指導もしてきた結果で思います。スポーツは、試合というところに最高のパフォーマンスを出せるようにピークを持っていかなけれないけません。それはただ普通の生活に取り入れるのとは違い細かい調整が必要になります。

ドイツ,ヨガ
ヨガなどを取り入れるドイツ代表

きっかけはいつでも待ってくれる

きっかけというのは、いつでも貴方次第で待ってくれているものです。運動するきっかけ、ヨガをするきっかけ、生活を変えるきっかけ、ジャンクフードをやめるきっかけ。
そこにヨガがあるのかないのか、ピラティスがあるのかないのかそれはあなた次第なのです。
令和元年、あなたはどのようなきっかけを使って新しい自分を生み出しますか。