サッカー選手のヨガの取扱説明書

流行と現実

最近、長友選手やロッペン、サッカードイツ代表が取り入れたこと、
メディアなどの効果もあり、

サッカーだけでなく、スポーツ競技へのヨガ(YOGA)
取り入れが話題を呼んでいます。

流行は恐いもので、メディア戦略、ビジネスの陰に隠れ、
どこの部分に効果が得られるのか、実際に効果があるのか?
危険性はないのか?具体的なことは語られないことです。

他のことでもそうですが、

それよりも誰がやっていて、どのチームがやっているのかが注目され、

メディアで取りあげられる=すごい!
という勘違いが優先になってしまうこと。

ヨガによってサッカーパフォーマンスが下がる

単刀直入に言うと、ただ何も考えずにヨガだけを取り入れると、
サッカーのパフォーマンスが下がる可能性が大いにあります。

それは、10年以上も前に私がリハビリとして取り入れ、
その後も常に自分の身体で実践し、実感したことです。

トレーナー、インストラクターという立場になり、
それらの結果を分析し、多くのヨガ指導者と
論議してきた中での一つの考え、答えです。

勘違いをしてはいけないのは、ヨガのアーサナ(ポーズ)は
本当に素晴らしいもので、競技への取り入れ方によっては
強力なアスリートのお助けアイテムとなり、
アスリートとしての寿命を更に伸ばし、
パフォーマンスをあげ、その生き方にまで良い影響を与えるものです。

怪我の予防、緊張の開放、戦いのスイッチを入れる。
これらのことを手に入れることができるでしょう。

ただし、ただのストレッチの延長と考え、ヨガのアーサナによって起こる心理的な部分、
体の反応をしっかりと理解しておかないと、
パフォーマンスを下げる要因になります。

有名チーム、アスリートがやっているから良いものという安易な考えで
見よう見まねで取り入れてもそれを活かすことはできませんし、
競技のパフォーマンスをあげることはできません。

それどころか、戦いに必要な瞬発力の低下やドーパミンや
アドレナリン、ノルアドレナリンなどの戦いに
不可欠な脳内物質などの低下も起こります。

更に関節系障害の誘発も起こる可能性があります。

競技の特異性をしっかりと理解する

まずは、それぞれのスポーツの特徴を理解することから始まる。

サッカーというスポーツがどのようなスポーツなのか。
筋肉は、試合前、試合中、試合後、どういう状態で
いたほうが良いのか、

心理的には?脳内は?肉体的には?
コンタクトスポーツなのか?戦う相手は?練習なのか、試合なのか?

そのことを理解したうえで、ヨガの効果である自律神経のバランスを整える、
筋肉の弛緩、リラックス効果、脳の覚醒など多大な効能を最大限に引き出すために

取り入れ実行するタイミング、その前後にしなければいけない運動、動作、呼吸を常に考え実行していかなくてはいけない。

ヨガによる主な改善例

怪我全般の予防、

何度も繰り返すような筋肉系障害(肉離れなど)

バランス能力の向上、関節系障害の改善、

疲労からの早期回復、試合前の不眠症改善、

試合前の緊張緩和、関節可動域の改善、

試合前のメンタル的要素の改善、

心肺機能のポテンシャルを最大限に引き出す、

試合への切り替えのスイッチが楽に行える、

瞬発系、反射系能力の改善、

手術後の早期回復など。

私が感じたこと、アスリートに指導して感じたことで、
すぐに思いつくだけでもこれだけのものがあります。

取り入れることへのリスクのまとめ

一般のかたも含め、
アスリートや選手が常に良いものを求め、
自分のパフォーマンスを上げること、
怪我の改善、予防を切に願い、少しでも良くなりたい、
上に登りつめたいという気持ちは同じです。

アスリート、選手、一般の方々、
どのような方でも同じように
クライアントの気持ちになって常に考えることができるトレーナー
巡り会えることを切に願っています。

選手という逆の立場であった時期が長かった私からすると、
どんな名声や有能な技法よりもクライアントにとっては、
それが一番重要だと思います。

なぜなら、結局はそれが問題解決の一番の近道だからです。

自分自身、膝の新しい手術法などの犠牲になってきたり、
世界の有名なメディカルスタッフ、トレーナー、施術者と出会い、

常に相手の立場で考えることが一番重要なのを痛感し、

トレーナーという立場になった今、それを一番に心がけています。

それは相手に対して優しいという意味ではなく、時には厳しく、

クライアントの求めているゴールへと連れていく手助けができる人と考えています。

未だ見られるメディカルスタッフやトレーナー、施術者の傲慢な態度は、
その人の不安を煽り、その不安は怪我の治り、パフォーマンスの低下にまで影響します。

ヨガの取り入れに対しても、ヨガ⇔競技、両方の面からしっかりとみられる指導者、

あなたの行きたい場所に導くためにどのようなものを取り入れたら良いか

真剣に考えてくれる方にお願いして欲しいと思います。

決して流行りに流されるだけでデータ集めの犠牲にならないように願っています。

それは、あなたの人生に大きく関わることですから。